わたしからあなたへ

「ブログかけ!」というお言葉を頂きましたので、恐れ多くも挑戦中です。私に起きた不思議な物語の第1章を無事書き終える事が出来ました。しかし不思議な流れは力強く私を運び続けています。「あなた」が目に映る世界が苦しいと感じるのであれば、その心を「ほんの少し温める」一助になれば幸いです。泣いて笑って共に世界を味わいましょう。

みえない力⑤(天河までの流れ②)

『いい夢見てるの?』

f:id:sintamsc:20171210151240j:plain

 「あなたに」by S

 

 2~3日と言われた彼女の命は頑張り続けた。

 

私は魂が体に戻る事を信じ、命がある間に、少しでも多くの人に、

彼女に「戻っておいで」と声をかけてほしかった。

 

そうする事で、彼女がこの世界に戻ってくる気持ちになるかもしれないから

 

痛々しい彼女を見せるのは辛い事だと知っていたが、

 

「彼女に会いに行ってほしい」と同僚に声をかけた。

 

 彼女は当時、悩み事で息が詰まると時折、私の年上の同僚に

「今日メロンできますか?」と申し訳なさそうに声をかけた。

 

合言葉は「メロン」。

 

『たわいもない、冗談を伝え合う時間』という意味を、2人の間で創ったのだ。

 

悩みや苦しみの相談は「私」が担当。

気持ちが軽くなるような、笑い合う時間は「彼」が担当。

 

『メロン出来ますか?』という言葉を彼女からもらうと、

年上の同僚は、照れながらも、とても嬉しそうに相談室に入っていったものだ。

 

私は、その光景を眺めるのが好きだった。

 

私の年上の同僚は、意図して冗談を言っているのか?

冗談そのものを生きているのか?

まあ、とにかく愛すべきキャラクターを持っていた。

 

「メロン」の時間を設けた後は、彼女はニコニコと笑顔になって帰っていった。

 

 私は病院に向う前に年上の同僚に、あるお願いをした。

 

『彼女が最後に勇気を出した場所に立ち、その風景を見たい。

 

そして、彼女を受け止めた場所が、どんなに硬かったのかを知りたい』

 

私の思いつめた顔を心配した同僚は、

 

『あなたが行くなら私も行くよ』

と言ってくれた。

 

 

 

私は彼女が最後に見た場所に立ち、その風景を眺めた。

 

 

『なんて、高いのだろう。

 

俺にはどんな事があったとしても、

ここを飛ぶ勇気はない。

 

どれだけの勇気を出したんだよ。

 

これだけの勇気が出せるなら、

生きる事はたやすいだろうに。

 

どれだけの勇気を出したんだ。』

 

私は天に向かって、なっちゃんの魂に語りかけた。

 

 

そして、彼女を受け止めた、硬い硬い地面を触った。

 

『どれだけ、硬かったろうか。

 

 どんなに痛かったろうか。』

 

私はその地面を撫でた。

 

その時、自分がまるで頭を打ったような感覚に襲われ、しばらくの間、目に映る景色が揺れていたのを覚えている。

 

私と彼は病院に到着した。

 

年上の同僚は、

彼女の姿をしばらく静かに見つめた後

 

眠っているように目を閉じている彼女に近づき、

 

そっと彼女の耳元でささやいた。

 

私はその言葉をかろうじて聞き取ることができた。

 

「いい夢みてるの?」

 

彼は「メロン」の時間とほとんど変わる事のない

お互いが笑い合っていた、トーンで彼女に語りかけていた。

 

私は彼がいつも本当の想いを伝えているのだという事を知った。

 

                   続く

 物語の続きを読むにはをクリックして下さい。

みえない力⑥2部完(天河までの流れ②) - わたしからあなたへ

 

 1つ前の物語を読むには↓をクリックして下さい。

みえない力④(天河までの流れ②) - わたしからあなたへ

 

今日も頑張っている「あなたへ」

 

私は、頑張っているのを承知の上で「頑張れ!」「負けるな!」

と言う事もあります。

心からの励ましは、

もう一度立ち上がる力を

明日を生きる力を

与える事を経験的に知っているからです。

私自身、心からの励ましで今まで何度も救われたからです。

スポーツ選手が観客から

「がんばれ!がんばれ!」という声援を受け、千切れそうな気力を

もう一度繋ぐ事がありますね。

 

言葉は、本当に不思議。

 

同じ言葉で、

 

人を励まし

人を傷つける

 のですから。

 

どうか今日もいい日を。