わたしからあなたへ

人生は不思議な事で満ちています。運命の出会いと別れを経て2017年11月20日に「ブログかけ!」というお言葉を頂きました。その不思議な物語の第一章を書き終えましたが、不思議な流れは更に力強さを増して、ようやくわたしは真を生きる事を決心しました。わたしもあなたも生きる事を味わい尽くし、善き旅路の果てで出逢いましょう。

インド編②「マザーテレサ」(番外編・天河までの背景①)

『マザーテレサ』~その勇気をたたえよ

f:id:sintamsc:20171230062445j:plain※『写真とってくれよ(立派な青年になったろう)』 マザーハウス byS 

 

インドに到着し、

カルカッタの街に降り立った時の衝撃は忘れる事は出来ない。

 

目に映る世界が違うのだ。

あまりに異国なのだ。

 

空気が

匂いが

音が

人が

動物が

建物が

車が

 

量も、質も、色も、

 

もう何もかも違うのだ。

 

頭の理解じゃない。

肌に、細胞に、未知なる情報が飛び込んでくるのだ。

 

命がうごめいているのだ。

生々しいという表現が最も適していると思う。

 

これは、インドを旅した事がある人なら分かってくれると思う。

 

私はその圧倒的な命のうごめきに、

あまりに、未知な情報の多さに

 

私は『恐怖』した。

しばらく足がすくみ、全く動けなかった。

 

全身から汗がふき出した。

怖かった。本当に怖かった。

体中は強張り、全身の汗が止まらない。

この国で1か月も一人で過ごせるのか??

私は初日で、いきなり、あと何日で旅を終える事が、

出来るか逆算し始めた程だ。

 

私は、心底怯えながら、しかし表面上は背筋を伸ばして、

まるで旅慣れた旅行者の様に振る舞った。

歩くたびに、珍しそうに私を眺める視線が痛かった。

そして、声をかけられ続けた。

私はなんとか、サダルストリートという安宿街にある、

「ホテル マリア」という所に宿を決めた。

 

シングル・シャワー付き(水)で1泊 600円といったところだ。

私は逃げ込むように、その部屋に入り、眠りの世界に逃げた。

 

目が覚めた時、自分が現実にインドにいる事を理解し、

うんざりした。

 

「ここはインドか・・」

 

目の粘膜が重い。

体も重い。

 

「まだ、こんな時間か・・・」

不思議な事に、時間の流れ方が日本と違うのだ。

どういう訳か、時間の進み方がゆっくりと感じるのだ。

それは、インドを旅してる間、ずっと、そう感じ続けた。

 

ガイドブックを見ていると、マザーテレサが創設した施設がカルカッタにある事が分かった。そして、ここサダルストリートからも、そう離れてもいない。

 

『こりゃ、いつもの流れだな。行けって事だな』と私は思った。

 

私の旅は、いや人生の旅は、

こんな思いつきのままで、ここまで流れてきた。

 

マザーテレサは私でも知っている。

せっかくだ、行ってみよう。ボランティアも登録すれば出来るらしい。

私は、インドに到着して初めての目的を持った。

 

しかし、私には問題があった・・。

また恥を白状しなければならない。

 

英語がほとんど喋れないという事だ。

相手が言わんとする事は、なんとなく分かる直感はあるのだが、発信が出来ないのだ。

これは謙遜ではなく事実で、旅先で、あらゆる人から心配された程だ。

 

現地の人や、旅行者や達から

 

『あなた、英語だめですね!』

『あなた程、英語を喋れない日本人に初めて会った!』

『その英語力で、インドを一人旅出来る勇気がすごい!』

『学校教育受けてないの?』

 

うるせーわい(笑)

 

それはもう、散々言われて、自分でも自覚していた。

自分が実際一番苦労している・・・・。

 

私はホテルマリアをチェックアウトし、ボランティア登録をするために、

マザーハウスを目指した。

ホテルを出た瞬間、リキシャの親父や、なにやら話しかけてくる人たちに囲まれた。

車のクラクション、人の声、凄まじい喧騒の中、

地図を見ながら、人を掻き分け、リキシャの親父達と闘いながら、

あらゆる風景に圧倒されながら、歩き続けた。

『あった!!ここだな』

なんとかマザーハウスに到着した。

私はやっと安堵した。

 

マザーハウスに着き、施設内をウロウロしながら、ボランティアと思われる西洋人に

「ハロー!」と声をかけるが無視。

なんて冷たい奴だと思いながら、傷つきながらも、登録できる場所を探した。

 

背後から

「ハロー」と私に声がかかった。

 

私は振り返ると、とても優しい顔の白人のシスターがいた。

 

シスターは日本語が喋れるようで、

「日本人?ボランティアの登録は15時よ。あなた一人で来たの?」と聞いてくれた。

 

私はインドに来てから初めて日本語に出会った事と、

優しさに触れた事で、泣き出し、抱きつきたい気持ちになったが、

それは当然出来なかった。

 

シスター

『宿は?これからどんな予定なの?』

『まだ、何にも決めてません。どうしようかな?と思って。』

 

おそらく私のあまりの英語力のなさと、無計画さを心配してくれたようで、

 

シスター

『日本人を一緒に探しましょうか?ここのどこかにいるはずです。そして一緒に宿を

探してもらえばいいですよ』と提案してくれた。

 

『大丈夫です、自分で探せますから』と反射的に答えてしまった。

 

全然大丈夫じゃないのに、『大丈夫?』と尋ねられると

いつも『大丈夫』と言ってしまう、自分の『習性』を心底殴りたくなった。

 

シスター

『そう、わかったわ。あそこに見える2階に、マザーが住んでいたのよ。あそこで、毎日祈りを捧げ、最後まであの場所に居たの。』

 

私は感慨深いものを感じた。

 

本でしか、出会った事のないマザーテレサが存在していた場所に、

私は立っているのだ。

 

彼女は、この地に立ち、この場所から世界を眺めた時

きっと、痛いほどの多くの何かを感じたのだろう。

 

「命」について

「生きる」という事について

 

今でこそ、マザーテレサの活動は世界中から認知され、協力者が絶えないが

 

彼女の活動の始まりは、決心は、

たった一人だったはずだ。

 

この地に立ち、この風景をみて、活動を始めた

その、マザーテレサの勇気を心から称えたい。

 

シスター

『あの建物には、マザーの様々なものがあるから、ゆっくり見ていって下さい。では15時に会いましょう』

といって別れた。

 

『本当にありがとう』

私は心からの、湧き出るような想いで深く感謝をした。

 

私の心には勇気が注がれた。

シスターの優しさによって。

 

自分の居場所がない時。

言葉(想い)が通じない世界にいる時。

 

他者の、優しい眼差し、優しい言葉が、こんなにも人の気持ちを温めるのだ。

 

特別な行為はいらないのだ。

その優しい「想い」で充分なのだ。

 

それが、

こんなにも勇気を与えるのだ。

私は決して忘れないぞ。

                 つづく

 

「あなたへ」

 

インド編長くなりそうなので、第5部「宇宙は世界に調和を呼びかけている」を2回で完結させ、6部をインド編に変更しました。

 

さて、今日はマザーテレサの言葉をご紹介します。  

この言葉は私の友人であるキリスト教の牧師さんから、インドに旅立つ時にいくつか頂いたメッセージの一つです。

 

私は、「なっちゃん」がICUで治療を受けた事を知った夜、すぐに彼に会いに行きました。

そして、彼は「なっちゃん」が回復する様に神様に心を込めてお祈りをしてくれました。

 

私も、真剣に神様にお祈りをしました。

私は彼から沢山の学びと愛をもらっています。

 

 

私は、以下の言葉の意味を、本当の言葉の意味を現地に行って理解しました。

 

「やってあげたい、助けてあげたい」という変わりやすい人の心では、

太刀打ち出来ない現実があるのです。

 

「自分」というものを、なくさないと進めない世界があるのです。

 

私はこの言葉を知ってから、その様な想いがあるからこそ、

マザーテレサは、歩き続ける事が出来たんだなと納得しました。

 

「主よ、私をお使いください」 マザーテレサ

 

『主よ、今日一日
貧しい人や病んでいる人を助けるために
私の手をお望みでしたら
今日、私のこの手をお使いください。

 

主よ、今日一日
 友を欲しがる人々を訪れるために
私の足をお望みでしたら
今日、私のこの足をお貸しいたします。

 

主よ、今日一日

優しい言葉に飢えている人々と語り合うため
私の声をお望みでしたら
今日、私のこの声をお使いください。

  

主よ、今日一日

人は人であるという理由だけで

どんな人でも愛するために
私の心をお望みでしたら
今日、私のこの心をお貸しいたします。』

 

                          つづく

今日も良い日をお過ごしください。

 

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私の英語力でインドを旅した勇気もついでに称えてください(笑)

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