わたしからあなたへ

「ブログかけ!」というお言葉を頂きましたので、恐れ多くも挑戦中です。私に起きた不思議な物語の第1章を無事書き終える事が出来ました。しかし不思議な流れは力強く私を運び続けています。「あなた」が目に映る世界が苦しいと感じるのであれば、その心を「ほんの少し温める」一助になれば幸いです。泣いて笑って共に世界を味わいましょう。

インド編⑰ 『浄化の時』(番外編・天河までの背景①)

『神の河よ、私を浄化しておくれ』~浄化され過ぎ高熱発症https://www.instagram.com/p/BeCxMbVgCmG/

『悠然と全てを受け入れるガンジス河』byS

 

毎日の日課の様にガンジス川の岸沿いを歩いていると、船漕ぎを職業とする青年が私に声をかけた。

 

船漕ぎの青年

『やあ!君はブルースリーの関係者か??』

 

『そんな感じだ(笑)』

 

年は21歳で、名前はラージという。

 

 ラージ

『君はかっこいいね!!日本人か?いいね!人生を自分で選べるんだろ?

俺は一生船を漕ぐ人生だ。俺の父さんも、おじいさんもみんな船漕ぎの人生だ。

俺はさ、次生まれ変わったら、お金持ちになるんだよ。

今回の人生は諦めてるけど、次はきっと金持ちの人生だ。』

 

彼は悲壮感もなく、あっけらかんとした表情で私に伝えた。

 

私はその達観した考えに感心し、興味を持った。

日本は仏教の国だが、一般人にとっては形骸化されたものに過ぎない。

ヒンズー教の輪廻転生の思想がこんなにも自然に根付いてる事に驚いた。

 

 

川岸を歩く私を見つけると、ラージは私に親しく話しかけるようになった。

 

数日後のラージ

『君が気にいったよ。俺がこの街で一番おいしいラッシーを君にご馳走したいんだ。今から一緒に行こう!!

ラッシー - Wikipedia

ラッシー は、インド料理の飲物でダヒーヨーグルト)をベースに作られる。 濃さはどろっとしたヨーグルト状のものから、水分の多いさらっとしたものまである。特に名前の違いはなく、作る人や地方、好みによる。

 

彼は、突然私の手を握ってきた。

俺は瞬間的に強張り驚いた顔をすると、ラージは笑顔で言った。

 

『この国では男同士でも手を繋ぐんだ。親愛の印として。』

真っ直ぐな瞳で教えてくれた。

(その真っ直ぐな瞳やめてくれないかな・・そういや、インド人は男同士で手を繋いでいたの見かけたな・・)

 

私は、かつてない複雑な心境を味わい、ざわざわとした緊張感を感じ、

なおかつ異様な汗をかきながら、ガクガクと震える足取りで店に向かった。

 

(これで手を振り払ったら、ラージは悲しむのだろうか・・・悪意には戦えるが、好意にはどうも弱い・・・)

 

 目的の店は、シャッターが閉まっていた。

 

ラージ

『あ。今日は休みだ。じゃあ隣の店にしよう』

 

ラージが示した店はあきらかに不衛生に映った。

人が口に入れる食べ物を、乱雑に置き、調理器具も汚れていた。

何しろ、ヨーグルトやコップ、果物すべてに黒いハエがびっしりとたかっていた。

 

ラージはそんなことを気にもせずに、何やら店主に注文した。

 

お店を見渡すと、黒い塊、まるで海苔に見えるようなものが置かれていた。

 

店の親父が、その黒い塊に手を伸ばすと、黒い塊がわっと空に飛び交った。

 

親父は、ブンブン飛び回るハエをものともせずラッシーを作った。

 

『え?今の全部ハエなの?そのハエが固まっていたものを今から口にするの??』

 

私は、めまいを起こしそうになった。

 

(これは、さすがに飲めない。申し訳ないが、ラージの目を盗み、隙を見つけて捨てるしかない。)

 

そして、ついに「そのラッシー」が、私に手わたされた。

 

船漕ぎのラージ青年は真っ直ぐな瞳で

 『君がハッピーだと俺もハッピーさ。さあ飲もうじゃないか!!』

 

(ははは、俺はかなりアンハッピーさ!!)

 と真っ直ぐな瞳に言える勇気はなかった・・・

 

ラージは、なんのためらいもなく一気に飲み干した。

ゴクゴク。

 

ラージ

『ああ!うまい。さあ、次は君の番だよ。ハッピーになれるよ』

 

ラージは、いつまで経っても飲まない私に

『さあ、さあ』

と強烈にプレッシャーをかけてきた。

天使の瞳を持った軍曹の様に私には見えて来た。

 

ラージ軍曹

『さあ!飲むんだ!美味しいから!飲むんだ!ぐっと!』

 

ラージは、俺がラッシーを飲むまで目を離すことなく、「おいしい」という感想を俺が言う事を期待に満ちた顔で待っていた。

 

これは、逃げられぬ。

ラージ軍曹に隙などありはしない。

もう玉砕するしかない。

俺は腹を括った。

 

さらば!日本!!いつかどこかで!!

 

『ゴクゴク。』

 

 

『あれ?うめーじゃん』

 

 ラージ

『だろ?』

 

俺もだいぶ、たくましくなっていた(笑)

 

 

 翌日、私は険しい顔で、ガンジス河を見つめた。

 

バラナシに来たのは聖なる川で、この心身ともに浄化するためだ。

 

ガンジス河に沐浴(※河に入り体を水にひたす)するのは勇気が必要だった。

 

沐浴 - Wikipedia

ヒンドゥー教では、沐浴を行うことで、罪を流し功徳を増すと信じられている。ヒンドゥー教徒の多くは1日の始まりに、寺院の貯水池や川で沐浴を行う。あるいは毎日仕事を終えた後1時間ほど時間をかけて全身を洗いきよめる[3]多くの聖地が集積するガンジス川での沐浴の光景は特に有名で、ベナレス(バラナシ)がその中心地。

 

私はこの河に死体を流し続けるのを眺めていたのもある。

 

聖なる河は、茶色で何も見えない。

 

川の周囲を眺めると、ゴミや犬の死体も悠然と流れている。

 

あのラッシーを乗り越えた今。俺に恐れるものはなかった!!

 

なんのために、ここまで来たのだ。

ラッシーを飲みに来たわけじゃなーい!!

 

えーい!さらば煩悩!!

全部、帳消しにしてくれーい!!

 

俺は意を決して、ガンジス川に体をひたした。

 

河は、生温かくて、ヌルヌルした。

『お、下は階段になってんだな』

 

俺は調子に乗って、川底を潜ったりした。

 

もはや沐浴ではなく、孤独にはしゃいでいる可哀想な俺の姿を見つけた

日本人旅行者が声をかけてくれた。

 

日本人旅行者

『日本人ですか?勇気ありますね!写真撮りましょうか?』

 

『俺には、最近勇気しかないですから。この勇気を撮ってくれい。』

 と好意に甘えた。

 

河の中で体を浸している間、体中がゾワゾワした。

 

よし、これで俺は浄化されたぞ!!

罪は帳消しになり、ついに涅槃に至ったぞー!!

 と私はガンジス河で叫んだ(心の中で)。

涅槃 - Wikipedia

 涅槃とは、仏教において、煩悩を滅尽して悟り智慧菩提)を完成した境地のこと[

 

 

翌日、寒気がして、動けなくなった。

 

宿の親父さんから体温計をかりると39.5℃だ。

 

涅槃には至らず

浄化され過ぎ、高熱には至ったようだ・・・

 

これは、まずい。俺はガクガクと震えベットに潜りこんだ。。

 宿の親父さんが、病院に連れて行ってやると言ってくれたが、俺は動きたくなかったので断った。

 

カズは俺が寝込んでるのをどこからか、聞きつけた様で、

『大丈夫ですか?』と心配してわざわざ宿までかけつけて来てくれた。

 

優しい奴だ。本当にありがとう。

 

原因不明の高熱にうなされたが、幸い熱は1日で下がった

翌日には、体調はすっかり回復した。 

何だったんだろう??

 

バラナシの風景はだいぶ身近なものになり、

他人の様によそよそしかった風景も、少し仲良くなった友人の顔に変っていた。

 

こうやって、他人の様な場所が、友人の様に親しみを抱く場所に変わる

在るものは変わらないのに、俺の「こころ」が変わったからだ。

 

旅には本当に沢山の学びがある。

 

 私はその後、バラナシを後にした。

帰りはカズが途中まで見送ってくれた。

 

そして、アグラーという街に行き、

かの有名な世界一美しいお墓と呼ばれる『タージマハル』を見に行った。

https://www.instagram.com/p/BeCxD49A3yN/

タージ・マハル - Wikipedia

 タージ・マハルは、インド北部アーグラにある、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に死去した愛妃ムムターズ・マハルのため建設した総大理石墓廟インド・イスラーム文化の代表的建築である

 

気づけば、旅の終着地であるニューデリーに無事到着していた。 

 終着地点まで、書き切れない沢山の冒険があったが、

 

私の旅はある意味、

カルカッタバラナシ終わっていたのだと思う。

 

そして、最終日 

私はインディラ・ガンディー国際空港に立っていた。

           つづく(17話/全18話)

 

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『あなたへ』

本日インド編のクライマックスでした。

明日でインド編の物語は終わりを迎えます。

インドは、本当に想像を超える事が多く、常にハラハラドキドキでした。

笑っちゃう話は他にも多くありましたが、今回のエピソードが心に強く残っていたので、記しておきました。

笑ってくれたら嬉しいな。

では、今日も良い日を、お過ごしください。

 

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