『向令孝和尚①』 ~師を求める。
『祥光寺』byS
私は1冊の書籍を通して、阿部敏郎さんと向令孝和尚の存在を知った。
私は精神世界のあらゆる本に手を伸ばしたが、
得たものは『言葉としての理解』『概念の理解』だった。
正直な所、知識や概念をこれ以上積み上げた所で、
私が求めている場所に行きつかない事に、いい加減に気づき始めていた。
「もうこの先はない」と一つの終着駅に到着した様だった。
そうなると私が本当に必要な事が明確になった。
それは、実践。
必要なのは経験だ。言葉にもならない体験だ。
沢山の知識を学んだが、もう私が欲しているのは
例えて言うならば、リンゴの味についての知識ではなく、
言葉になりえない、リンゴを実際に味わうという体験をする事。
それを提供していると思えたのが、仏教の中でも『禅』であった。
『禅』を学ぶにつれ、やはり正しい教えを伝える『師』という存在が非常に重要になってくるという事を知った。
禅の臨済や馬祖の話に出てくる『師』と『弟子』の関係性に私は憧れを抱き、
やがて『師』の存在を渇望するようになった。
しかし、私は本を読んではいても、実際の仏教の僧侶の知り合いもおらず、
仏教関係者のネットワークなど皆無であった。
『さすがに師匠は無理か?』と諦めていた。
その上、私には『師』とする人物は禅僧なら誰でもいい訳ではなく条件まであったのだ。
私の師であるならば、私より『強く』『大きい』というのが条件であった。
そうでないと、私は全てを信頼し任せる事が出来ないという気がしたのだ。
私よりも強いというのは、『我が強い』『喧嘩が強い』という事ではない。
感覚的なものなので説明が難しいが、
私が直感的に『強さ』と『大きさ』を感じとる事が出来る人物である事。
それは私にとっては、とても大切な要素だと感じていたのだ。
『師』を求めていた時期に、
阿部敏郎さん「さとりの授業」のあとがきを書いていた
向令孝和尚の存在を知った。
向和尚はどんな人物なのだろうか?
向和尚は高校3年生の時、目の前で父親が心筋梗塞で呻き苦しんだ。そして「死」を目の当たりにされた。
父親を目の前で突然亡くすという経験をしてから、
生きる無常を感じて、世間一般的な価値が全く信じられなくなったそうだ。
20歳の頃 「無位の真人」という臨済禅師の以下の言葉に出会い魅了されたという。
「無位は無依でもあって、なんの位も無い、なんら依存すべき価値もないところにこそ、真実の人が活き活きと生きておるのだ」
「この肉体には無位の真人がいて、常にお前たちの顔から出たり入ったりしている。まだこれを見届けておらぬ者は、さあ見よ!さあ見よ!」
その後、禅に傾倒し大井際断老師(現方広寺派管長)について参禅修行を始める。
命がけで飛び込んだ大分の専門道場での一週間不眠不休で坐る臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)で、見性体験をする。
そこで体験した悟りは、禅の言葉も伝統も超えた
『人間本来の普遍的な地平に帰る事』という事だった。
大学を卒業し大手流通企業で勤めていたが、29歳で出家する。
6年間の雲水修業を経て大井際断老師より嗣法。
1987年より毎年ドイツに行き参禅指導を続ける。
1995~2003年まで方広寺山内の奥山青壮年研修所所長を務め、
2007~2011年まで臨済宗方広寺派教学部長を務める。
現在は浜松市の方広寺派祥光寺住職。
向令孝和尚のホームページ↓
向和尚は、『禅』を普及させるべく、「いまここ道場」を定期的に開催し、
初心者でも参加のしやすい接心※の機会を提供していた。
※接心:禅マスターのもとで坐禅を集中的に組む期間
私は『いまここ道場』の存在を知り、
2013年の暮れ頃に初めて参加する事となった。
そして、向和尚と初めて出会う事になる。
つづく
『あなたへ』
向和尚に繋げてくれた、阿部さんに心から感謝したいと思います。
私だけでなく
阿部さんの情報発信によって沢山の方がご縁を結ばれたのだと思います。
今もなお、ご自身が楽しみながら沢山の方を繋げ続けています。
すごいなー。
不思議なもので何かを真剣に欲して『意識する』と、多くの場合必要な情報が入ってくる様に思います。
そうやって『意識』するだけで、入ってくる情報が変わる。
それは、たしかにそうなっている様です。
しかし、情報だけでは何も変わらない。物事を展開させるには
勇気を出して『えいっ』と行動する事がどうしても必要だなと実感します。
私は行動的な一面もありますが、基本的に『えいっ』と行動するまで、
『どうしよう?』『やめておこうか?』と右往左往する事も多いです。
今日もあなたにとって、いい1日になりますように!!
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