わたしからあなたへ

人生は不思議な事で満ちています。運命の出会いと別れを経て2017年11月20日に「ブログかけ!」というお言葉を頂きました。その不思議な物語の第一章を書き終えましたが、不思議な流れは更に力強さを増して、ようやくわたしは真を生きる事を決心しました。わたしもあなたも生きる事を味わい尽くし、善き旅路の果てで出逢いましょう。

接心⑮(天河までの流れ⑥)

『愛の場②~私の勇気

f:id:sintamsc:20210127200604j:image「セカイヲシンジテ」by M

 

私の胸にしがみついている

 

 小さななっちゃんから

 

『勇気を出して私の話をして』

 

と言われているような気がした。

 

私は絶望にも似た気持ちになった。

 

俺がこんな大勢の場で、

心の内を見せる事は非常に苦しい事だ。

 

俺にそんな勇気はない。

 

多分、

この話を冷静に話す事など出来ず、

取り乱すだろう。

 

そんな姿を人前で晒す事は出来ない。

 

そして、

このなっちゃんの話は重すぎる内容だろう。

 

みんなどんな反応をしていいか困るだけだ。

 

なっちゃん

ごめん。

俺には話せそうにないよ。

どうか許してくれ。

 

おっさまのワークが終了し、シェアリングの時間となった。

 

輪になった仲間の一人が、

 

心の内をポツリ、ポツリと語り始めた。

 

心に抱えた葛藤や苦しみ。

 

皆、音を聞くように静かに話を聞いていた。

 

全てを受容しようとしている空間(場)が、

 

私の心に少しずつ影響を与え始めた。

 

私はその様子を見ている内に

 

心の内が激しく揺れ始めた。

 

俺も苦しいんだ。

 

本当は。

 

抱えきれないこの苦しみを、

 

いま、この場で聞いてもらいたい。

 

本当は解放したい。

 

私はそういった普段は許す事はない、

隠されていた自分の弱さの声を聴いていた。

 

しかし

そんな事を許してもらえるだろうか。

 

誰もが悲しみを抱えているのに

俺がこの貴重な時間を奪っていいのだろうか?

 

心は葛藤を続けた。

 

苦しかった。

 

この苦しみを聞いてほしいという

 

激しく強い衝動が

 

心に溢れ続けた。

 

私の体は震えていたと思う。

 

恥ずかしい事だが恐ろしかった。

 

この場の空気を凍りつかせてしまう事も。

 

自分の弱さも見せる事も。

 

心底怖かった。

 

理由が分からないが、ある瞬間

ふと

私は震えながら

恐れを越えてみようという気持ちになった。

 

なっちゃん、俺 言ってみるよ。

 

私は震える心と声のまま

 

『すいません・・・。あの、俺、ちょっといいですか・・』

 

私は震えながら手を挙げた。

 

輪になった参加者達の視線が私に集まった。

 

私の心は強張る。

 

情けない姿を見られている。

 

その心のまま、口を開いた。

 

『俺は・・・福祉の仕事をしていて。

 

俺の事業所を以前利用していた、

 

「なっちゃん」っていう20代の女性がいたんです。

 

なっちゃんは心の病気と障がいがあって、

 

いつも生きるのが苦しくて。

 

もし、死ぬ事を決めてしまったら・・・。』

 

声が詰まり、心が悲しみで溢れた。

 

『・・・どんなに手を尽くしても

 

生きるのが辛くて

 

死ぬのを決めてしまったら、

 

俺に最後に会いに来てって

 

なっちゃんと約束してて・・。』

 

私の心は溢れて、涙が溢れた。

 

あたりは、時が止まったように静かになった。

 

もう一人の冷静な私は

 

思った通りだ。

ああやっぱり場を壊してしまった。

無益な事をしてしまったと思った。

 

でも、もう少し、最後まで。

 

勇気を振り絞り、もう一度言葉を。

 

『それで、会いに来てくれたんです。

 

俺との約束を守って。

 

さようならを伝えに。』

 

私はあの日のなっちゃんを見つめていた。

 

『俺、一生懸命頑張ったんですけど。

 

生きててほしく、頑張ったんですけど。

 

守ってあげれなくて・・・』

 

涙はとめどなく溢れ続けた。

 

声は震え続けていた。

 

私は人生で初めて

 

こんなに大勢の前で

 

己の弱さを人前でひらいた。

    

    つづく。

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接心⑯(天河までの流れ⑥) - わたしからあなたへ

 

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接心⑭(天河までの流れ⑥) - わたしからあなたへ

 

『あなたへ』

 

「心をひらく」

 

「ハートをオープンに」

 

という言葉を沢山聞いていましたが、

 

 私には、

その開き方が分かりませんでした。

 

出来ないんだ。

 

開きたくても。

 

強張った心を開く。

 

それを己の意志で開くのは

 

とても難しい事です。

 

出来る人は、すでに出来ており

 

出来ない人は、まだ出来ない。

 

私は今でなお、心の開き方は

 

よく分かりません。

 

ただ、思うのは

 

自分の意志を越えて

 

つぼみが、外の季節を感じとり

 

世界が花を受け止める状態になった時

 

自然と花は咲くのかもしれません。

 

私はその感覚に近いです。

 

私はあの時、

心を開く事を受け止めてくれる世界を

感じとり、ひらく事が出来ました。

 

優しかったな。本当に。

心より感謝します、ありがとう。

 

あなたにとって、安らぎに満ちた1日にありますように。

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