梅雨に入る時期になりますと、
私に1本の連絡が入ります。
「蛍がそろそろ飛び交いますよ」と。
実は3年ほど前、
思いつきで蛍を子供に見せたいと思い、
日が暮れた頃、
山道を走り、
蛍が見れるという場所に行きました。
目的地に到着し、辺りを散策しましたが
いっこうに蛍は見当たりません。
「いないねーホタル」
と子供達もがっかり。
諦めかけて帰ろうとした時、
軽トラの脇に立っていたオッちゃんが、
突然。
「あんたら蛍を見に来たのかい?
ここには居ないぞ。見たいなら連れてってやるぞ」
と声がかかりました。
私は一瞬躊躇しました。
辺りは真っ暗で、道も分からない場所。
このオッちゃんを信じて大丈夫だろうか?と。
失礼にも、少し不審に感じました。
私はおっちゃんをしげしげと見つめると、
どう考えても良い人間100%のオーラでした。
私は
『是非!連れてって下さい。』
とお願いしました。
おっちゃん
『そうかい、せっかくここまで来て、
ホタルが見れないんじゃ、子供達も可哀想と思ってね。
声をかけさせてもらったよ。
今年はここには出てないんだよ。
15分くらい走ったとこにいるからついて来てくれ。
この前も好意で、蛍を見に来た人に声をかけたら、
不審者扱いされてしまってね。』
私は苦笑いしながらも、
『よろしくお願いします!』
と言って軽トラの後ろに付いて行きました。
案内された小川には、
息を飲むほど美しい光景が拡がっていました。
オッちゃんは、ボランティアで蛍の幼虫を育て、
川にかえしている方でした。
そんな方と偶然出会えた事は非常に幸運でした。
その出会い以降、
毎年蛍が飛び交う時期になると、
おっちゃんから連絡を頂いています。
今年も、先週末。
「蛍が見れますよ」という連絡を頂き、
山に向かいました。
今年は、
ホタル観察会というイベントを企画された様で、
多くの家族連れで盛況でした。
おっちゃんもホタルの説明を、
愛情深く、子供達に伝えていました。
辺りはまだ明るく、
ホタルを見るにはまだ少し早い。
子供達はワクワクしながら、
日が暮れるのを待ちます。
そして、辺りは闇に包まれる頃、
提灯を貸してもらいました。
提灯の優しい光。
子供達は当然、提灯の奪い合いが始まります(笑)
そして、あたりにポツポツと光が。
あたりから、子供達の歓声が聞こえます。
幸い、沢山の美しい光を見る事が出来ました。
なんという、美しく優しいひかり。
子供達も充分堪能したようです。
また来年見えるかな?
おっちゃん!!
本当にありがとう。
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