わたしからあなたへ

人生は不思議な事で満ちています。運命の出会いと別れを経て2017年11月20日に「ブログかけ!」というお言葉を頂きました。その不思議な物語の第一章を書き終えましたが、不思議な流れは更に力強さを増して、ようやくわたしは真を生きる事を決心しました。わたしもあなたも生きる事を味わい尽くし、善き旅路の果てで出逢いましょう。

想像よりずっと

『真実に触れて』

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「6月の花」byGAHAG

 

 

朝の通勤途中。

 

クチナシの白い花が咲いているのを見つけた。

 

「ああ、クチナシの花の香りを嗅ぎたい」

 

と私は思った。

 

そんな想いを片隅に抱えながら、

 

日々の慌ただしさに呑み込まれたまま、

 

私はクチナシの白い花を横目に見送り続けた。

 

 

ようやく、

 

私は緑の中を歩く機会を得て、

 

白く開き切ったクチナシの花を目にとめた。

 

 

そのクチナシの匂いを嗅ぐ前に、

 

私は1年前の記憶を頼りに、

 

その香りを思い起こした。

 

 

あの異国を想わせる独特な甘い香り。

 

私は その香りを脳内に、

 

完璧に再現出来たと思った。

 

 

そして、

 

今、目の前に存在している、

 

白いクチナシの花の目の前に立ち、

 

顔を近づけ、鼻腔から、

 

その香りを私に取り入れた。

 

 

ああ、

 

そのクチナシの、

 

甘味の重層さ、

 

厚み、

 

奥行。

 

ああ、

 

こんなにも本当の存在は、

 

豊かなものなのか。

 

想像なんかより、

 

ずっと、ずっと

 

素晴らしい香りだった。

 

 

私達は、

 

いつも真実に触れている。

 

けれども、

 

多くの時間を真実ではなく、

 

どれほど記憶に触れている事だろうか。

 

あの花の香りも、

 

あの人の事も、

 

今日の1日を。

 

どれほど、

 

記憶ではなく、

 

真実に触れた事だろうか。

 

1日、1日過ぎ去ってゆく。

 

真実に触れる事が出来るのは、

 

今だけ。

 

私達は真実に触れるために生まれたのだ。

 

記憶を生きるためではない。

 

世界はいつも私達を待っている。

 

その手で、

 

その目で、

 

その鼻で、

 

私達に触れられる事を。