わたしからあなたへ

「ブログかけ!」というお言葉を頂きましたので、恐れ多くも挑戦中です。私に起きた不思議な物語の第1章を無事書き終える事が出来ました。しかし不思議な流れは力強く私を運び続けています。「あなた」が目に映る世界が苦しいと感じるのであれば、その心を「ほんの少し温める」一助になれば幸いです。泣いて笑って共に世界を味わいましょう。

ようこそ、待ってたよ⑤最終回

 「うち、来るかい?⑤」

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「うちにこい」byS

 

sintamsc.hatenablog.com

 

 私は思わず説明してくれたスタッフに

 

 「すんません・・

 

 もう一度だけこの子

 

 抱かせてもらえませんか?」

 

と声をかけていました。

 

 

私はこれが最後のつもりで、

 

その子犬を抱きました。

 

 

とても温かい・・・

 

命の鼓動を感じました。

 

 

私に安心して体を預けているのが伝わってきます。

 

 

う・・・む・・・。

 

 

私は子犬の背中を撫でながら、

 

子犬に向かって、

 

「おまえ、う・・・ち・・」

 

という言葉をかけようとしました。

 

 

その言葉を遮るように、

 

子供

「かわって、抱っこしたい!!」

 

 という子犬の取り合い状態。

 

子供

「いせ君!!」

 

と名前まで呼んでる始末。

 

 

おまえが、

 

いせ君だったのか!?

 

 

ああ、これは・・・

 

と感じながら、

 

私は現実を思い出しました。

 

 

自宅に子犬を迎える準備を、

 

全く出来ていない事に!!

 

 

 ゲージもなければ、エサの器もない。

 

しかも、

 

今日まさかそんな出会いがあるとも考えてないため、

 

 

自宅は汚部屋!!

 

 

うーむ、

 

こんな状況で受入れていいモノだろうか?

 

 

私はスタッフに相談をしました。

 

まだ自宅の受け入れの準備が整っていない事。

 

また譲渡にかかる費用を持ってきていない事。

 

※譲渡の際は、犬自身の費用はかからないが、

 ワクチン、避妊、去勢代などの費用が必要。

 その費用は3~5万円がかかります。

 

私はしっかりと、迎え入れる準備が出来るまで、

 

すこし保留にする事は可能なのか?尋ねました。

 

 

スタッフ

 「必ず飼って下さると確約出来るなら、

 数日はお預かりが出来ます。が、

   インターネットでも里親を募集しているため、

 里親希望者が出た場合、

   その方を優先させて頂きます」

 

 

う!

 

まさに!

 

 一期一会か!

 

この機会を逃したら・・・

 

 

私は悩みました・・・

 

「私の衝動はここで決めなさい」と伝えている。

 

「私の理性はしっかり準備してから迎えなさい」と伝えている。

 

 

こー見えて私は理性優位のタイプなのです。

 

 

いせ君は妻に気持ちよさそうに抱かれていました。

 

 

私は

「今日は一旦帰って、

 

 迎える準備をするぞ!」

 

と決断し伝えました。

 

それで縁がなければ、縁が無いのだ。 

 

 

それを聞いた家族は、

 

明らかに不快な顔を丸出しにして、

 

「え!やだ!」

 

と、いせ君をギュッと抱きしめて、

 

離そうとしませんでした。

 

 

そんな風に理性よりも、

 

いとも簡単に感情を優先する様子を見た私は、

 

 

おーれーもー!

 

やーだーわー!

 

と理性を優先させるのが馬鹿らしくなりました。

 

 

このやろー

 

俺も我慢してんだ・・・

 

はあはあ、

 

 

私はいせ君をもう一度抱きかかえて

 

いせ君の顔に向かって、

 

「おまえ、

 

 うち来るかい?」

 

と、つぶらな瞳に声をかけました。

 

 

いせ君は「キョトン」とした表情を見せ、

 

それは当然だとばかりに私に身体を預けています。

 

 

スタッフはスタッフで、

 

私が決断するのを持っている様子でした。

 

 

わたし

「この子にします!

 

 この子飼います!」 

 

 

私はようやく宣言しました。

 

 

それを聞いた家族も一安心した様子でした。

 

 

こうして、

 

いせ君は私の新しい家族になりました。

 

 

いせ君と私は、

 

生まれた場所も異なり、

 

生物としての種も異なり

 

育てた親も家族も異なり、

 

血も異なり、

 

コミュニケーションも異なります。

 

 

全てが断絶しているような状態でも、

 

生きて、出会いがあれば、

 

命と命は家族になれるのです。

 

 

私は幸いにも、

 

与えられた家族にも、築けあげた家族にも、

 

充分恵まれています。

 

だからこそ、私は家族に対して幻想も抱かず、

 

フラットな視点で家族の本質が見る事が出来ます。

 

 

本質的にいえば、

 

家族制度なんぞ、

 

人間のただの概念に過ぎません。

 

 

家族形態を整えたから、

 

幸せになる訳ではないのです。

 

 

家族形態を整えたからこその、

 

苦しみがあるのでしょう。

 

 

結局のところ、

 

どこまでいっても人は、

 

一人で立ち、

 

他者(血を分けた者も含む)と向き合ってゆくのです。

 

その関わり方が、

 

その距離感が、

 

家族を喜ばしいものにも、

 

苦しいものにもさせるのだと思います。

 

 

私はたまたま偶然恵まれていたに過ぎない。

 

家族だから信頼関係が生まれた訳ではない。

 

 

他者と他者が、

 

ただ、許し合ってきたからでしょう。

 

 

社会が変われば、

 

時代が変われば、

 

家族制度の在り方は変わるものです。

  

 

ただ、変わらない事があると思います。

 

この存在は、

 

私にとって家族だと自分自身が感じる事。

 

それが家族という事でしょう。

 

私にとって、

 

家族になるとは環境を指すのでない。

 

血を指すのではない。

 

ですから養子として子供を迎えれば、

紛れもなく私は家族だと思います。

 

離れていても家族は家族であり、

 

同じ場所で暮らして

 

血も同じで、

 

制度的にも、

 

生活環境が同じてあっても、

 

心の中では家族だと思えない事もあるでしょう。

 

それこそ、苦しい事だと思います。

 

 

私にとって、その存在が家族だと思えば、

 

それは環境的に社会的に生物的に認められまいが、

 

その想いを、

 

私の心からは、誰にも奪えないものです。

 

 

こうして、いせ君はあらゆる違いを越えて、

 

ごく自然に私と家族になりました。

 

 

私は種も越えて、血も越えて、環境も越えて、

 

心から信頼出来る命達と、

 

大きな家族を築く事が夢です。 

 

 

それを、

 

この命の鼓動が脈打つ間に、

 

この地上で為す事が私の使命です。

 

なんてね!

 

 

あ!

 

話しがそれました。

 

話しを戻しましょう・・・

 

 

私がようやく決めた事で、

 

スタッフさんも安堵された様子。

 

何故ならば、

 

殺処分寸前の犬達は悲しいくらいの数。

 

里親を必要とする動物は限りなく存在するからです。

 

 

里親になる事を正式に決めたので、

 

テーブルのある場所に移りました。

 

そして、

 

譲渡契約の手続きに入ります。

 

譲渡契約書には、

 

様々な条件についての同意が必要です。

 

私は説明を聞きながら、同意をしていきました。

 

 

その中の用紙にはこんなメッセージが書かれていました。

 

犬の十戒 

 

1. 私と気長につきあってください。

 

2. 私を信じてください。それだけで私は幸せです。

 

3. 私にも心があることを忘れないでください。
 
4. 言うことをきかないときは理由があります。

 

5. 私にたくさん話しかけてください。人のことばは話せないけど、わかっています。

 

6. 私をたたかないで。本気になったら私のほうが強いことを忘れないで。

 

7. 私が年を取っても、仲良くしてください。

 

8. 私は十年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。
 
9. あなたには学校もあるし友だちもいます。

 でも私にはあなたしかいません。

 

10. 私が死ぬとき、お願いです、そばにいてください。どうか覚えていてください、私がずっとあなたを愛していたことを。

 

その十戒の言葉は、

 

魂に触れる様な、

 

胸に迫るものがありました。

 

 

さて、

 

譲渡契約も無事終了。

 

 

あ!

 

お金がないじゃん!!

 

 

私はコンビ二にダッシュ!!

 

なけなし秘密貯金に手を出して、

 

必要分を降ろしました。

 

おかで、スッカラカンになりました(笑)

 

 

・移動のためのキャリー

 

・リード

 

・首輪

 

・エサ

 

なども買う必要がありましたので、

 

合計すると、

 

ぐはっ

 

という金額になりました。

 

 

私はこれから飼うにあたっての

 

最低限のアドバイスをいくつか聞いておきました。

 

 

気がつけばお昼を過ぎており、

 

スタッフも帰る準備をしていました。

 

私達はお礼を伝え、車にいせ君を乗せました。

 

いせ君は、

 

一体どこに行くのだろう?

 

と不安そうな顔をしていました。

 

 

そして、いせ君を乗せた車を、

 

スタッフは出発を見送ってくれました。

 

 

こうして、

 

令和元年7月14日は、

 

忘れがたい記念すべき日になりました。

 

 

流れとは不思議なものです。

 

自分の心の準備などは関係がありません。

 

むしろ準備が出来ていないときに、

 

突然流れる事が多いと感じます。

 

 

流れが必要な時に、

 

必要に応じて私達に流れるようです。

 

 

ただその流れに対してどうするのか?

 

その選択権は私達が握っている。

 

全ては決まってるなどの話はあくびが出る。

 

そんなしょーもない話で分かったフリなどせずに、

 

悩んで真っ当に決めればいいんです。

 

 

本質的にはどうあれ、

 

私達は現に悩んで生きてゆくのですから。

 

 

理性を優位にしても、

 

感受性を優位にしても、

 

どちらでも良いのでしょう。

 

 

そこに正解などない。

 

どちらの選択にも、

 

喜びと苦しみはありますから。

 

 

心の躍動〈衝動〉も正直なモノで、

 

躍動を感じるべき時には、感じるものなのですね。

 

私は以前、

 

犬を抱きながら心が冷えていく現象に焦りました。

 

しかし、

 

きちんと、なるべくしてなるんですね。

 

さっきの話しと矛盾するか(笑)

 

 

まあ、そんなこたぁ、どうでもいい。

 

ただ、

 

私の内に起こる衝動(躍動)を信頼する事は、

 

私の人生において本当に大切なのかもしれません。

 

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ようこそ!

 

まってたよ。

 

いせ君。

 

おわり