わたしからあなたへ

人生は不思議な事で満ちています。運命の出会いと別れを経て2017年11月20日に「ブログかけ!」というお言葉を頂きました。その不思議な物語の第一章を書き終えましたが、不思議な流れは更に力強さを増して、ようやくわたしは真を生きる事を決心しました。わたしもあなたも生きる事を味わい尽くし、善き旅路の果てで出逢いましょう。

なっちゃんの横顔②「与えられたうつわで生きていく」(番外編・天河までの背景②)

『障がいを抱えるという事』~その器で生きていく      

 

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金継ぎした器(一度割れてしまった器を金継きで修復した。)

「いまの方が ずっと素敵だよ」by S

 

私のなっちゃんの印象は

 

『凛』とした佇まいです。

 

なっちゃんは、心の病と障がいを抱えながらも

『働きたい』という強い気持ちを持って、

 

私の事業所で『働くための訓練』を受けていました。

 

心はいつも、揺れ動き、自分を責める事も多かったのだと思いますが、

他者には、逆の印象を与えるのですから不思議です。

 

背筋が伸び、歩く姿や、立ち振る舞いがとても綺麗でした。

 

そして挨拶や報告の際、声がよく通りました。

 

なっちゃんの「あいさつ」はとても美しかったので、

 

よくみんなのお手本にさせてもらいました。

 

なっちゃんは、 

『おはようございます』

 

と明確な言葉を発した後、頭を深々と下げます。

 

言葉と動作を分ける事で、立ち振る舞いは美しく見えます。

 

なっちゃんは、接遇のマナーの勉強した時の、

お手本を忠実に実行していたのです。

 

 

彼女は、物事をバランスよく考える事が苦手でした。

 

例えば、

 

製造業(モノづくり)の会社で働いたとします。

 

当然、会社は「不良品を出さない品質」

物を多く作る「生産力(作業速度)」同時に求めます。

 

しかし、彼女から見たら

 

品質と生産力(作業速度)を両立させる事は、矛盾する事だったのです。

 

良品を作るには、時間をかけて丁寧に品質確認をしなければならない

 

作業速度を意識するならば、品質を犠牲にしなけらばならない。

 

彼女にしてみたら、どちらを優先すればいいのか分からないのです。

 

「まあまあ」「適当」「だいたい」という言葉は、

彼女をよく苦しめたのだと思います。

 

これは、「思考の障害」のためで、なっちゃんのせいではありません。

 

ですから私達支援者は、本人達が手がかりを掴めるように

 

いかに社会が求めている事を具体的「言語化」して

 

本人が理解できるように、伝える事が重要になります。

 

作業の 指示をする時に

 

『ミスを出さない様にちゃんとやってください!」

 

では、思考の障害がある方にとっては、

何を求められているか全く分からないのです。

 

それを踏まえて指示するなら、

 

品質を確認するのであれば、

①の箇所がOKだったら、次は②を確認。

②がOKだったら品質OK。

その確認は1回だけにしましょう。

 

作業速度であれば

1つの製品を3分以内で作る事。

などです。

 

 「情報の処理」も私達よりずっと苦労する事が多いのです。

 

新しい情報がインプットされると、

本人の中では、その理解で100%になってしまいます。

ですから、急に予定が変わったり、いつもの状況に変化があると、

前回の情報と一致しないため、思考がパニックになったり、

柔軟に受け止める事が難しくなるのです。

 

私達は、気がかりな事不安な事があっても、

それらを抱えながらも、なんとか日常生活を送る事が出来ます。

 

彼女の場合は、

その気がかりな事が「思考の100%」占めてしまいます。

 

そうなれば、当然もう何も手が付けられなくなってしまうのです。

 

そのような思考や認識の障害を抱えて、

 

この社会を生きるという事は

 

本当に大変な事だったと思います。

 

                    つづく

『あなたへ』

 

私は、「障がい」の分野で仕事をしてきました。

 

社会人になる前から、気付けば「障がい」を抱えながら

 

この世界を生きていく方との出会いを多く与えられていました。

 

もう、20年近く「障がいを抱える方」との関わりがありますね。

 

私にはこの世界に、好きな人と嫌いな人という区分けしかなかったので、

 

昔から「障がい」を持つ方に対して、特別な感情はありません。

 

ですから、「可哀そう」、「助けなきゃ」なんて思った事はありませんし、

お互い対等な存在だと感じていました。

 

なっちゃん目に見えぬ「障がい」を抱えていましたが、

 

目に見える『身体障がい』を持つ方も大勢いらっしゃいます。

 

私が障がい福祉の世界に入る、ご縁を頂いたのは

 

身体に「重度の障害」を抱えながらも、

 

この世界を真っ直ぐに見つめ、

この社会で生きている仲間達と出会ったからです。

 

この目に見える障がいを抱える事が、

 

どれほど苦難に満ちているのかも、私は少し知っています。

 

そして多くの事を学ばせてもらいました。

 

また機会を見つけてお伝えできたらと思います。

 

私たちの、器(体・心)は、与えられたものです。

 

「変えてくれ!!」と叫んでも、神様は変えてくれません。

 

その器で生きていく事しか、私たちは出来ません。

 

私は、制限に満ちた「器」で、精一杯生きている方を

多く知っていますので、

「負けてられるか」と頑張る勇気を与えられています。

 

さあ、今日もいろいろあるけれど、生きていきましょう。

 

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