わたしからあなたへ

「ブログかけ!」というお言葉を頂きましたので、恐れ多くも挑戦中です。私に起きた不思議な物語の第1章を無事書き終える事が出来ました。しかし不思議な流れは力強く私を運び続けています。「あなた」が目に映る世界が苦しいと感じるのであれば、その心を「ほんの少し温める」一助になれば幸いです。泣いて笑って共に世界を味わいましょう。

おじいちゃんが呼んでいる(6)

『あいにきたよ』

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『受け取って欲しいな』by s

 

前回の物語↓

 

sintamsc.hatenablog.com

 

 

はー、美味かった。

 

長野最高!!

 

さて、出発!

 

おばあちゃんにプレゼントする

 

ハンカチを購入するために、お店を探した。

 

綺麗な色のハンカチとストールと、

 

花屋さんで小さな花束を買った。

  

そして、母から教わった住所を頼りに、

 

ようやく、

 

おばあちゃんが暮らしている場所を見つけた。

 

わたしは2人に向って、

 

「ここかー!ありがとうな。

 

 本当に、ごめんな付き合わせて」

 

その間、

 

癒し旅の2人には車で待っていてもらうのだ。

  

2人

「全然!どうぞごゆっくり!」

 

と心からの思いやり。

 

じーん・・・・。

 

ああ、俺はなんて小さい奴だろう。

 

俺は逆の立場で、

 

こんな気持ちのいい返事が心から返せるだろうか?

 

せっかく旅する時間に、

 

個人の都合に付き合わせて・・・。

 

俺は人には待たせてばっかりなのに、

 

自分は人を待つ事が苦手で仕方ない。

 

ああ、どうよしうもなく、自分勝手な奴だ。

 

本当に、俺って奴は・・・。

 

ごめんなー、本当に、ありがとう。

 

恩にきちゃう!!

 

俺は感謝の想いに満たされながら、

 

ばあちゃんの住む部屋まで走った。

 

えーと、ここだ!

 

この部屋番号で間違いないな! 

 

ドキドキ・・・。

 

チャイムを鳴らす。

 

ピンポーン

 

待つ・・・・。

 

あれ?

 

ピンポーン

 

ピンポーン

 

あれ?

 

もしかして、

 

倒れてる?

 

何かあったか?

 

まさか・・・

 

ばあちゃん

 

大丈夫かー!

 

ばあちゃん

「はい、はい、

 

 今あけますよ」

 

なんだ!良かったー!!

 

声は元気そうだ。

 

ガチャリと扉が開いて、

 

数年ぶりのおばあちゃんの顔が見えた。

 

おー全然元気そうじゃないか!!

 

わたし

「おばあちゃん!

 

   久しぶり!!」

 

おばあちゃんはきょとんとした表情を浮かべ、

 

おばあちゃん

「あんた誰だったかや?」

 

・・・・・。

 

なるほどそういう事だな。

 

私はばあちゃんの状況を理解した。

 

おばあちゃんは、

 

しげしげと私の顔を眺めて、

 

おばあちゃん

「あんた、しんちゃんに

 

  よく似てるな~」

 

わたし

「それ!そいつだよ、俺!

 

  そのバカだよ!!」

 

ばあちゃんは少しずつ記憶を取り戻すと共に、

 

安心した様子が伝わってきた。

 

そして、

 

俺を部屋に入れてくれた。

 

おばあちゃんは、

 

俺と話す内に記憶を鮮明に取戻し、

 

最後に会った数年前の状況まで思い出してくれた。

 

俺は、

 

ばあちゃんに花束とハンカチを渡した。

 

おばあちゃん

「わざわざ悪かったなー、

 

 こんな綺麗なもんまでくれて」

 

おばあちゃんは少し照れくさそうに、

 

プレゼントを嬉しそうに受け取ってくれた。

 

おばあちゃんの部屋の匂いは、

 

あの頃と同じ匂いがして、胸が詰まった。

 

周囲はとても静かで、

 

部屋の窓から見える空と雲はとても綺麗だった。

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 2人はお互いの近況を伝え合った後、

 

おばあちゃんは、伝えてくれた。

 

母は優しい人である事。

 

父という人にもらわれて良かったという事。

 

話ながらおばあちゃんの瞳を見ていると、

 

なんだか昔よりずっと優しくて、

 

澄んでいる気がした。

 

おばあちゃんは、

 

俺に少しでも何か与えようと、

 

これ食ってけ~

 

これ持ってけ~

 

とあの頃の、

 

おばあちゃんのまんまで胸が熱くなった。 

 

普段の俺には、

 

積極的にハグなど出来ないが、

 

この時ばかりは、

 

おばあちゃんの手をさすり、

 

この世界に確かに存在する、

 

おばちゃんの温かい命を

 

忘れないように何度も抱きしめた。

 

おばあちゃんの命の温度に触れた時、

 

おばあちゃんがおじいちゃんも出会わず、

 

命を繋いでくれなかったら、

 

俺は今ここに存在していないんだと思い出し、

 

とても不思議な気持ちになった。

 

おばあちゃんは、

 

俺が帰る事を何度も惜しむように引止めた。

 

泊まっていけばいいじゃないかと。

 

わたし

「OK、分かった。

 

 じゃあ、今度は泊まりでくるよ。

 

 今度は子供も連れてくる。

 

 その代わり、

 

 ばあちゃんは必ず元気でいてくれ

 

 また会いに来るからさ。」

 

おばあちゃんはようやく納得してくれた。

 

部屋の壁には、

 

写真立てに入った祖父の顔写真が飾ってあった。

 

その祖父の顔は、

 

俺の夢に出てきた顔、

 

そのままであった。

 

じいちゃん。

 

ありがとう。

 

おかげでおばあちゃんに会いに来れたよ。

 

私が祖父の顔写真にそう話しかけた時、

 

たしかに、

 

写真の中の祖父の表情は、

 

なんとも言えない、

 

ほほえみを浮かべたのだ。

 

  つづく

前回の物語を読む方は

おじいちゃんが呼んでいる(5) - わたしからあなたへ

 

次の物語を読む方は↓

おじいちゃんが呼んでいる(7) - わたしからあなたへ

 

 

「あなたへ」

 

たしかに、

 

動くはずのない写真の祖父の表情が、

 

私には微笑んだようにしか思えませんでした。

 

照れくさそうに、

 

励ますように、

 

ホッと安堵したように、

 

なんとも言えない表情で笑ったのです。

 

おじいちゃん。

 

とにかく、おじいちゃんのおかげだよ。

 

夢で教えてくれたからだよ。

 

真実がどうあれ、

 

おばあちゃんにこうして会えたのは。

 

本当にありがとう。