「いつも在る」by S
美しい心に触れると、
自分も美しくなりたいと思います。
その美しさの発露は、
その本人の置かれた状況が苦しいものであった時こそ、
美しく花ひらくように感じます。
自分の人生に希望を失い、
生きる事が果てしないと感じる夜。
大切なものを失い、
幸福というものがどこか別な世界にあるように感じる朝。
自分の心が枯渇し、
水を求め、砂漠を彷徨う日々。
けれども、
その日々の中で、
他者の幸福を誠実に祈る人がいます。
これは宗教やメソッドではありません。
人の心にある、
光輝く美しい場所から溢れる自然な発露です。
自分はどうやらうまくいかなかったけれど、
せめて、
彼(彼女)が、今日1日幸せでありますように。
何か嬉しい事が、一つ見つかりますように。
何か苦しい事が、一つなくなりますように。
生きていて良かったと感じる事が出来ますように。
よかったら、私もそうでありますように。
そんな風に自然に祈る事の出来る、
人の美しさや、強さに胸を打たれます。
それは、
犠牲的精神でもなく、
引き寄せの法則でもありません。
ただ人が持っている美しい心の働きなのです。
祈るだけではなく、
自分で精一杯なはずなのに、
目の前の存在に対して
温かい、
言葉を、手を、表情を、
渡す人がいるのです。
その事実は、
私に生きる勇気を与えてくれます。
今日も1日が無事終わりました。
私も、あなたも、
本当によく頑張りました。
「何も出来なかった」
思うかもしれません。
私もそう思います。
けれども、
今日も命を繋いだではありませんか。
よく頑張ったよ、私達は。
あなたが、生きる事は、
そして、私が生きる事は、
この世界を美しいものするためには、
どうしても必要だと私は思うのです。
明日は即位礼正殿の儀。