わたしからあなたへ

「ブログかけ!」というお言葉を頂きましたので、恐れ多くも挑戦中です。私に起きた不思議な物語の第1章を無事書き終える事が出来ました。しかし不思議な流れは力強く私を運び続けています。「あなた」が目に映る世界が苦しいと感じるのであれば、その心を「ほんの少し温める」一助になれば幸いです。泣いて笑って共に世界を味わいましょう。

ぼくの勇気は8月に②

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「ここはよいぞ」byS 

 

 

 

私は坊主に、

 

「坊主くん、友達をどうしたら作れるか教室やってみるか?」

 

 と問いかけると、

 

「うん、やる」

 

という力強い返事だった。

 

奴は本気だ・・・。

 

オシ、応えてやろうじゃないか。

 

部屋には日中の暑さが残っていた。

 

窓を開けて、夜の涼しい風を入れた。

 

 

さっそく、子供達の好きなぬいぐるみを持ち寄り、

 

学校の教室のシーンと登場人物を適当に設定した。

 

「さあ、友達になるには、どんな方法があるか?」

 

と問いかけた。

 

さすがに、長女はどんどんアイディアが生まれる。

 

次女も「私ならこうするよ」というアドバイスが出た。

 

意見をする顔は真剣だ。

 

坊主は照れ臭そうに笑いながら2人の意見を聴いていた。

 

そのアドバイスに従い、

 

今度は人形で実際に実演してもらう。

 

良いパターンと悪いパターンもやって、

 

発信側だけでなく、受信側も体験する。

 

これが大切な事だ。

 

途中、チビ達がワイワイと興奮し、

 

人形のキャラクターが凶悪になり過ぎ、

 

友達を作るどころか、

 

友達をボコボコするという展開に発展し、

 

収集がつかなくなった。

 

真剣にやっているオジサンは、

 

ワナワナと心底ムカつきだした。

 

おい、おまえたち、

 

本当にそれでいいんだな・・

 

と、オジサンが殺気を放つと

 

ああ、まずい

 

「オジサン怒らすとめんどくさいよ」

 

殺気を受信したチビ達の興奮は収束した。

 

 

何度か様々なパターンを繰り返してると、

 

坊主が、

 

「僕、勇気がないんだ。」

 

と呟いた。

 

「家ではできるのに、

 

 学校では勇気が出ないんだ。」

 

と静かに呟いた。

 

でも、

 

『8月になったら、

 

僕は勇気がきっと出るんだ。』

 

と真剣な顔で言った。

 

私はその声を漏らさないように聴いた。

 

ん? 何故8月?

 

坊主は下を向き、照れ臭そうに笑った。

 

何故?と聞いても、なかなか答えない。

 

 私は、

 

「坊主さん、教えてくれ?

 

何故?8月は勇気が出るんだ?

 

気になって眠れんじゃないか」

 

としつこく尋ねると、 

 

「8月になったらね、

 

パワーストラップがもらえるの。

 

そこには七つの力があって、

 

ゆうきのちからも入ってるんだ。

 

だからそのゆうきで、友達もつくれるとおもう」

 

 

 

説明を聞くと、学習商材のプレゼント企画であり、

 

ストラップらしい。そのストラップを身に着けると、

 

笑顔や元気、勇気などの力がもらえるという事だ。

 

 

坊主の表情は真剣で、

 

そこに大きな期待や希望を持っている事が分かった。

 

 

大人や、ませた子供なら、

 

そんなものに力はないと鼻で笑うだろう。

 

しかし、

 

その言葉に私は胸を痛めた。

 

子供というもの純粋さに。

 

その素直さに。

 

信じようとする力に。

 

 

子供にとって、

 

大人から発信される、

 

何気ない言葉や行動。

 

それが子供にとって、

 

どんなに大きく影響を与えているのだろうか。

 

 

たった一つの言葉をすがるように信じ続けたり、

 

たった一つの約束が生きる意味だったり、

 

たった一つの言葉が心を引き裂いたり、

 

大人になった私達の心には、

 

もう思い出せない程の、

 

心の響き方をしているのだろう。

 

私はしばらく事の大きさに、

 

沈黙した。

 

 

ああそうだ、

 

勇気の出し方。

 

勇気の出し方。

 

私は知ってるのか?

 

勇気はどうやって出す?

 

今の私は勇気を出せているのか?

 

すると長女が、

 

「勇気はね、外にはないの。

 

 自分の心にあるんだよ。」

 

と坊主に静かに伝えた。

 

つづく