「捕まっちまった」byS
ザリガニ持ってきたよー
と、坊主の溌剌した声が響いた。
坊主が嬉しそうに持っている
小さな飼育ケースを覗くと、
まだ小さなザリガニが、
汚れた水の中に佇んでいた。
その声を聞いた、
姉や、妹もワクワクした様子で、
飼育ケースの周りに殺到した。
「 もっと大きい水槽で飼ってあげようよ。」
「お父さん、どうすればいい?」
と姉は言った。
子供達は生き物を飼うという事が、
嬉しくて楽しくて興奮を抑えきれない様子。
そうだよな。
オジサンは、
君たちのその気持ちがよく分かるよ。
その興奮をよく知ってるよ。
生き物を飼うって、
なんであんなにワクワクするんだろうな。
オジサンも子供の頃、
そりゃもう沢山の生き物を捕まえて、
飼育したもんだ。
ロクな飼い主じゃないから、
そりゃもう沢山の生き物を殺生したもんだ。
オジサンはチビ達に命じた。
「おし、じゃあ君は砂利を拾ってこい。
そんで、君はあそこにある大きな飼育ケースを洗って。
君は小さめの植木鉢を探して持っておいで」
「うん!!」
と言って、子供達は目を輝かせて、
それぞれの目的場所へ
文字通り、すっ飛んで行った(笑)
オジサンは、喜びの中で、
せっせとザリガニの住処を作る様子を眺めた。
これだけバーチャルの世界が進んでも、
子供達は生き物に触れ合う事の喜びは色褪せない。
ゲームもあんなに自由度が増して、
リアルになっているのに。
子供達は、
新しいザリガニの住処を完成させた。
小さなザリガニを、新しい住処に誰が移すか、
定番のケンカをしながら。
「あ!喜んでる喜んでる!」
新しい住処に入った、
ザリガニはたしかに、
気持ち良さそうだった。
子供達は、
まるで生まれたばかり赤ちゃんを、
見守る様な眼差しをしていた。
「ねえ、毎日水を替えていいの?」
「餌は何やるの?」
「水草入れていいの?」
「石を入れていいの?」
とオジサンに質問攻めをした。
「調べてごらん、図鑑もあるし、
スマホで調べられるだろ」
とオジサンは伝えた。
興奮する子供達にオジサンを予言を与えた。
『 明日、まだ楽しい気持ちはあるだろう。
月曜日、水替えが少しめんどくさくなる。
一週間後、水を替える事がすげーめんどくさくなり、
お世話の押し付け合いが始まるだろう。』
それを聞いたチビ達は、
「予言なんか当たらないよ!ちゃんとやるよ」
と言い返した。
そりゃ、1週間後が楽しみだ。
君達、
少年オジサンのカルマを乗り越えてくれ。
『あなたへ』
今日、蝉の鳴き声が聞こえました。
私は昨日から今日にかけて、
私にとって必要な案件があり、
パソコンの前で、19時間くらい、
ご飯も夕食以外食べずに集中して作業をしていました。
大変ですが大変じゃないのです。
やらないと気がすまないのです。
普段はとことんグータラな私ですが、
自分がこれと決めた事なら、
寝食忘れて没頭できるんですね。
そんな事を仕事に出来たら幸せです。
そんな風に没頭して人生を生きたいなあ。