生まれてから、ふと気づいた。
乗るつもりのなかった、
ジェットコースターに乗っていた事。
もう動いちゃってて。
だから、きっとよく泣いたんだな。
生きる事の騒音。
スピード。
目まぐるしく展開する景色。
怖くて怖くて、
力をずっと入れたまま、
背を向け、
半分だけ目を開けて、
ジェットコースターが、
いつ終わるんだろうと、
ここからどうやって逃げるのかと、
そんな気持ちで生きていたに違いない。
眠るのが好きだったのは、
意識を失えるからだ、多分。
景色は、年々激しくなって、
高い高い場所から、
真っ逆さまに感じた。
怖くて怖くて、
目を半分閉じたから、なお、
風を切る轟音が、
恐怖をますます膨らませた。
だから、何も本当に見ていない。
だから、ちゃんと聴こえてない。
正しくその風景を見た事や聴いた事、
一度もなかったのかもしれない。
風の味わい。
本当の景色。
真正面から味わった事からいつも逃げてた。
逃げる事の出来ないジェットコースターから、
降りたい!と、半分背を向けて。
でも、そろそろあきらめようか。
決して降りれないように、
神様は、私の、
前、
後ろ、
左、
右、
をガッチリ配置された。
動いてる。
今も。
あきらめるしかない、降りる事。
ゴールは神様だけが知っている。
降りたい気持ちは消せないけれど、
せめて、乗り方を変えなきゃ、
この先途方もない。
いい加減、
生きるって事に、
腹をくくるしかないだろに。
シートベルトついてるし、
本当は何にも傷つかないの知ってる。
ジェットコースターに乗ってる時間、
目を閉じるのも、
楽しむのも、
恐怖でいっぱいにするのも、
乗り手の在り方一つ。
ジェットコースターを楽しむコツ?
仁王様見たいな面したって、
本当は体と心は、恐怖で固まってる。
そう、
この乗り物は、絶対に安全だと確信する事。
力を抜いて、
もうあきらめて、
そのスピードを味わい、
景色を自由に見つめて、
身を投げ出すような気持ちで、
乗ってみたら、
案外爽快だったりする。
瞬間、瞬間の景色は、
ありとあらゆる形と音で溢れてる。
目を閉じて、その景色を想像して、
時を過ごすのも、
目を開けて、
まことの景色を味わっても、
そのコース、ゴールは、きっとおんなじ。
でも、生きる事を楽しむのなら、
しっかり目を開けて、
その後ろに向いた姿勢を前に向けて、
力を抜いて、
身を投じる事。
実は、前に後ろに守られてる。
今日が道開き、未知開きになりますように。
あきらめる、おりること。
生きる事、覚悟する。
止まらない、止まれない。
行き先は、神様だけが知っている。
そして、この乗り物は、
私を超えたモノであるという事をしること。
あきらめるしかない。
明らかに見つめるしかない。
その一瞬、一瞬が、
失われる前に。