わたしのいのちを支える手
2016年になっちゃんとお別れをした数ヶ月間、
生きる事に喘いでいました。
生きる事に罪の意識を持ち、
生き残り続けている自分に毎夜、
鞭打つ日々が続きました。
そんな時、歌手であるCoccoさんの、
アダンバレエというアルバムを偶然に見つけました。
多分YouTubeだったのだと思います。
わたしは名前は存じ上げていましたが、
詳しくはなく、
有名な曲を耳にしていた程度でした。
しかし私はこのアルバムの中の曲を聴いて、
強烈に惹かれるものを感じました。
そして、
すがるようにこのアルバムを買ったのを思い出します。
戦時中、鋭い棘を持つアダンの茂みに身を寄せて生き抜いた者たちの話を聞いてから、沖縄人の私の心に“アダン”はサバイバルの象徴として刻まれました。
いつの間にか私はとうに大人になっていて、そして図らずも生き残った者になっていたから。
生存者（サバイバー）による生存者（サバイバー）のためのアルバム『アダンバレエ』を作りました。
今を生きるすべての生存者（サバイバー）に捧げます。
不思議なもので、
そんなメッセージを込めたアルバムとは知らなかった私でさえ、その様な何かを感じとり、
震える魂を慰めてもらいました。
そのアルバムの最後の曲を何度も何度も聴いた事を思い出します。
ひばり
Cocco
アルバム アダンバレエより
わたしは あなたを
置いては 行かない
淋しい夜を
知ってるから
わたしは あなたを
置いては 行かない
悲しい朝を
知ってるから
それでも どうやら
目を閉じてしまいそう
どうして世界を
諦められよう？
冬には冬の
花がどこかに
Coccoさんは、この歌について、
ひばりっていう歌は、
命をかけて守るって誓ったものを、
守れなくても、
大切な、とても大切なものを
守れなくても、
生きていく人の歌です。
※中略
大切なものを失っても
生きていく時に
どうしてそれでも生きられるかって言ったら
その人が好きだった
海とか空とか星とか
花とか山とか川とか
雪とか風とかが、
やっぱり綺麗で
なんかその大切な人が愛したものが
残っている世界をやっぱり
どうしてもあきらめきれないから、
だから生きていくんだろうなっていう
そういう歌です。
この歌はアルバムの最後に決めていたし、
最後の曲なんですけど、
はじまりの歌です。
と語っています。
私は、痛み知る者だけが伝える事の出来る、
そこから逃げずに向き合ってきた
生存者の歌によって命を繋ぎました。
何かのせいに、誰かのせいにしてきた生存者の言葉は、
私には決して届きませんでした。
私はこんな悲しみは、
もう起こらないだろうと思っていましたが、
その数年後に私の根幹であった形の喪失を経験しました。
2016年を含めその数年間は、
明日の事など考えられず、
この1日、この1時間、この10分、
と命を繋ぐ事で精一杯でした。
ここ数日前に、
Coccoさんの動画を見る機会があり、
ああ、もうあれから7年が経つのか？
と感慨深い想いに浸かりました。
Coccoさんは、
本当に生きる事に途方に暮れ、
生きる事の痛みの中で、
生き残ってくれたんだと思いました。
ありがたい事です。
わたしは歌手が歌ってる姿を見るのが好きです。
ああ、この歌詞はこんな表情で歌うのか？
といろいろ感じる事が出来るからです。
映像でお顔を拝見すると、
尋常ではないなと感じる方は、
Coccoさんと中島みゆきさんです。
お二人は何か人外の要素を感じてしまいます。
特別なご加護と純度を感じる稀な人です。
沢山の孤独や痛みを救ってきた方達なのでしょうね。
Coccoさんの歌で好きなのは、
Heaven's hell (2003.8.15 Okinawa live Version) - YouTube
Cocco 「ジュゴンの見える丘」Music Video - YouTube
です。
私には、愛なんて分かりません。
それを伝える事はとても出来ません。
ただ、私には命をかけてでも見たい風景があって、
それは『道』と呼ばれてきたのかもしれません。
このまま野垂れ死にそうですが、
それでも諦めず、毎日、その道を歩いてます。
明日は大雨になるみたい。
本当は窓を開けていたいけれど、
大人になったので、
窓から聞こえる雨の音で我慢します。
