わたしからあなたへ

人生は不思議な事で満ちています。運命の出会いと別れを経て2017年11月20日に「ブログかけ!」というお言葉を頂きました。その不思議な物語の第一章を書き終えましたが、不思議な流れは更に力強さを増して、ようやくわたしは真を生きる事を決心しました。わたしもあなたも生きる事を味わい尽くし、善き旅路の果てで出逢いましょう。

父について②

「身口意の人」

ネパールにて 山岳地帯をトレッキングする父

 

父とは私は、

 

積極的にコミュニケーションを

 

とるタイプではお互いなかったが、

 

人生の節目の際には、

 

父はいつも私の背中を支えてくれていた様に思う。

 

 

父については、

 

以前私が

 

インド編①「父の背中」(番外編・天河までの背景①) - わたしからあなたへ

 

という

 

インドの旅行記を書いた時に、

 

父の事を少し紹介した。

 

 

私が、インドを旅するきっかけを与えたのは父の存在だった。

 

父は20代の頃、船、バス、列車、飛行機、ヒッチハイクで世界を旅した。

 

私は幼い頃から、父が世界を旅した時に出会った沢山の物語を聞かされていた。

 

父が旅したルートは、シンガポール・マレーシア・タイ・ネパール・インド・パキスタン・アフガニスタン・イラン・トルコ・スエーデン・フィンランド・ノルウエー・ベルギー アメリカ・メキシコ・ハワイと1年をかけて、皿洗いのアルバイトをしたり、友人と合流したり、トレッキングをしたり、現地で多くの女性とデートした事など、ウハウハでハラハラの冒険に満ちた旅をした。

 

私が特に興奮して話を聞いたのは、トルコで列車に乗っていた時の事だ。

 

車内には、父と体格の大きな男2人組のみが乗っていた。

その2人組みの一人は、ナイフを取り出し、ナイフを父に見せながら、

カバンの中身とお金を要求した。

 

父は、まだ旅の途中でお金を取られてはたまらないと思いいちかばちで

『カラテ知ってるか?』

男2人組みに向かって言った。

 

男達の表情が曇ったのを確認してから、

父は落ち着き払った様子を見せて、男の一人に、自分の大きなカバンを持たせた。

 

そのカバンを持たせた男に向かって、父は後ろ回し蹴りを放った。

 

男は、カバンごと列車のドアに吹っ飛んでいった。

 

男2人組はすっ飛んで逃げて帰ったそうだ。

インド編①「父の背中」(番外編・天河までの背景①) - わたしからあなたへ

 

父は世界を旅した影響からなのか?

 

生まれ持った性質なのか?分からないが、

 

一般的な日本人象からはかけ離れている。

 

外国の方に対しても、

 

気軽に

 

「どこから来たのか?」

 

という声をかけていた事を思い出す。

 

自分では自覚はないが、

 

振り返って考えると、

 

私は父の影響を多分に受けているのに気づいた。

 

インドを旅した事も、

 

武道が好きな事も。

 

私と父は生き方も性格も趣味も全く異なるが、

 

どんな人間に対しても、

 

対等に付き合う

 

という事はそっくりだと気づいた。

 

 

父は、外国の方にも、

 

ホームレスの方にも、

 

子供にも、

 

肩書きがある方にも、

 

いつも対等に接していた様に思う。

 

そして、

 

自分がしてあげたいと思った事を、

 

何の見返りもなく行動する人だった。

 

釣りバカ日誌のすーさん

 

まさに地で行く様な人だ。

 

実際に父より年上のお医者さんに、

 

『師匠』と呼ばれていた事もあった。

 

父は、

 

仏教などを学ぶ事なく、

 

ナチュラルに、

 

身口意を一致させて

 

生きている人だと感じる事がある。

 

「身口意(しんくい)一致」
「言行一致」という言葉は、良く聞くと思います。口で言うことと行動が一致しているという事ですが、「身口意(しんくい)一致」という言葉は聞き慣れない言葉だと思います。「身口意(しんくい)一致」は、「身」は行動、「口」は話す言葉、「意」は思っている事(心)を一致させるという事で、口で言っても心で思っていない事であれば気持ちのこもった対応が出来ないという事です。

 

父の振る舞い方は、

 

何にせよ、気風がいい。

 

気風がよい読み方:きっぷがいい

 

性格や心意気が男らしくて清々しいさまなどを意味する表現。東男の魅力とされる。

 

 

父を想う時、「風」という字が浮かぶ。

 

優しい風というのではなく、

 

一陣の風

 

というニュアンスに近い。

 

強く激しい風だが、

 

その後には、

 

執着のかけらもなくスッキリとしている。

 

 

父には沢山のエピソードがある。

 

 

とても寒い季節、

 

海で釣りをしていた父は、

 

ホームレスの方に出会った。

 

その方の服装は、この時期では

 

あまりにも薄着で寒そうだった。

 

父は、

 

1000円札を渡そうとして、

 

「これで何か、

 温かいものでも

 食べてください」

 

と伝えた。

 

すると、ホームレスの方は

 

「受け取れません」

 

という対応をされたそうだ。

 

父は釣りから帰ってきて、

 

この出来事をまだ小学生の私に話した。

 

「見た目で判断して、

 間違った事をした。

 人の施しを受けない

 誇りがあったのに」

 

と何度も反省していた。

 

 

またこのエピソードは

 

7年前くらいだろうか?

 

早朝の港で、

 

カマスが釣れるという事だったので、

 

父・甥っ子・妹と釣りに出かけた。

 

早朝といっても、

 

まだ完全に夜で、

 

ライトを照らさないと、

 

ほとんど何も見えない状況だった。

 

港で釣りをすでにしている人もチラホラ。

 

地元の釣り人は気が荒い。

 

小学生の時、

 

よく平日の昼間から謎に釣りをしている

 

オジサン達からいろいろ教わった。

 

さて、時を戻す。

 

仕掛けをセッティングする際に、

 

ライトを使用するのだが、

 

その強烈なライトが、

 

遠方で釣りしているオジサンの顔を照らした。

 

遠方の気が荒いオジサン

「さっきから、

 眩しいんだよお、

 コラあ!」

 

と静かな港で怒号がこだました。

 

 

残念ながら父も気性が荒かった。

 

「うるせえ!

 しょうがねー

 だろうーがあ!」

 

と再び静謐な港に

 

怒号がこだました(笑)

 

その不穏な空気に、

 

父以外の我々は、

 

どーなる事やらと

 

と思案したが、

 

我々は、気にしていても仕方ないと思い、

 

カマス釣りを普通に続けた。

 

 

数時間が経ち、

 

カマスが何匹か釣れた。

 

その時、

 

先ほどこちらに向かって

 

怒号を放っていたオジサン達がざわつき始めた。

 

なんだ?

 

とその状況を確認すると、

 

先ほど、こちらを叫んでいたオジサンが、

 

意識を失い倒れたようだ。

 

父はすぐに、

 

そのオジサン達の元に駆けつけ、

 

救急車は呼んだのか?など話している。

 

そして、救急車のサイレンの音が聞こえると、

 

迷う事なく駆け出して、

 

救急車を現場まで誘導した。

 

さっきまで、

 

怒鳴り合ってのに・・・

 

その時も私は、

 

父を不思議な人だなあと思っていた。

 

 

つづく

 

「あなたへ」

 

休日の早朝の時間が好きです。

 

焦る事なく、

 

ゆっくりと朝の気配を感じる事が出来るから。

 

目を覚まし、

 

45度近くの風呂に浸かり、

 

水浴びをする。

 

神棚の世話をし、

 

お祈りをする。

 

イセの散歩に行き、

 

季節の温度、

 

大地の感触と鳥の声を感じる。

 

イセは嬉しくて嬉しくてという

 

興奮が表情から溢れている。

 

近くの神社で手を合わせ、

 

イセのトイレの始末が面倒くセーと思いながら、

 

自宅に戻る。

 

そして休日の朝食を作る。

 

食パンをトースターで焼き、

 

バターを塗る。

 

ウインナーと卵をフライパンで調理し、

 

香ばしい匂いが辺りに香る。

 

焼いたものをパンにのせて、

 

ソースをかける。

 

ヨーグルトにジャムを混ぜる。

 

甘いミルクティーを入れる。

 

そして、

 

子供達と

 

いただきまーす

 

私はコーヒーを飲む。

 

 

朝の時間は特別だ。

 

父もその時間の特別さを、

 

私よりも深く知っているはずだ。

 

 

今朝、イセの散歩をしながら、

 

梅の木を見つけ、花の香りを嗅いだ。

 

白梅

 

まだつぼみも多く、

 

満開まではしばらく時間がかかりそうだ。

 

梅の花の香りは、

 

淡く、微かに清涼感があった。

 

風は強く、

 

冬から春の空気に入れ替えている様だ。

 

 

あなたにとって、

 

良い日になりますように。