わたしからあなたへ

人生は不思議な事で満ちています。運命の出会いと別れを経て2017年11月20日に「ブログかけ!」というお言葉を頂きました。その不思議な物語の第一章を書き終えましたが、不思議な流れは更に力強さを増して、ようやくわたしは真を生きる事を決心しました。わたしもあなたも生きる事を味わい尽くし、善き旅路の果てで出逢いましょう。

父について⑥

「父の伝説」

トルコにて 現地の人と父


父はタフだ。

 

いや超人だ。

 

今回も長くなるが、

父の残したいくつかの伝説を紹介する。

 

前回の記事でも書いたが、

 

毎朝、登山を含む6kmの行程は、

 

20代でもかなりシンドイ事だ。

 

登山経験者なら分かると思うが、

 

山の道の1kmたるや、

 

街で歩く道の数倍の疲労度がある。

 

それを、普通に毎朝夜明け前に行く。

 

74歳を迎えるのに・・・

 

 

前回帰省した際に至っては、

 

飼い犬のイセをも無理やり実家に連れて帰った。

 

父は当初イセを連れて帰る事に対して、

 

難色を示していたが、

 

しばらく経つと、

 

分かった連れてこい

 

と、返事があり、

 

いろいろまた受け入れの準備をしてくれた。

 

父は物事を一旦受け入た場合、

 

もはや最強の味方になる。

 

父は、

「イセ行くぞ!」

 

と言って、

 

近所を散歩する感覚で、

 

その6Kmの山登りにイセを、

 

1週間毎日連れて行ったのだ。

 

イセは性格は穏やかだが、

 

山で生まれただけあって、

 

体躯もよく、

 

60kg程度の人間なんぞ、

 

簡単に吹っ飛ばしてしまう。

(1日2回の散歩は交代制 当番で坊主と姉が

 行く時は必ずペアで散歩に行かせている)

 

イセにはそんな力強さと、

無限の体力がある。

 

そんな犬と散歩に行くのは実際めちゃ大変。

 

しかも山なんて・・・

 

数時間後、

 

そのイセが、散歩から父と帰ってくると、

 

なんと!

 

イセの方が見た事もない、

 

疲れ果てた表情を

 

しているのではないか!

 

その後、

 

ひっくりかえって寝た!

(死ぬほど充実した顔をして)

 

という衝撃の場面を目撃した!

 

しかも、父に感想を聞いたら、

 

「引っ張ってくれて、

 

 あんがい楽だったぞ」

 

んなわけないだろっ!

 

 

イセは父をボスと認識して、

 

こんなに楽しい散歩を毎日してくれる父が、

 

大好きになっている。

 

父の70代でこのタフさを見れば、

 

体力が充実していた頃の父のタフさは、

 

もはや超人にみえた。

 

ちなみに早朝の山登りに何気なく参加してしまった、

 

体力現役バリバリの高校生の姪っ子から、

 

父を評して、

 

「狂ってる」

 

と言わしめた(笑)

 

 

父のライフワークの釣りについては、

 

いくつかすでに記事にしており、

 

同じ様な事を結局書いている。

 

リバー・ランズ・スルー・イット/そうちゃんご紹介 - わたしからあなたへ

実は私の父も釣りが趣味です。

ただの趣味ではなく映画同様、

完全にライフワークです。

実家には、

釣り道具専用の倉庫があるくらいです。

そのため私も幼い頃から、

山、海、川、湖、ボート、船など、

あらゆる場所に釣りに連れて行ってもらいました。

特に印象的なのは、

「渓流釣り」です。

夜明け前、

「起きろ、行くぞ」と

父に起こされます。

私は心細い気持ちで、

4WDの乗用車の助手席に座ります。

コンビニで、朝ご飯や水分を買って、

県を越えて移動します。

深い山に入り、

夜明け近くに目的地に到着します。

山はしんと静かで、空気がつめたい。

木々の匂い。

土の匂い。

川の匂い。

あの特別な空気感。

忘れる事はないでしょう。

鳥の声や川の流れる音が聞こえます。

服を着替えて、釣り竿を折らないように、

渓流のポイントまで山を降ります。

私はその深い山の中で、

父が教える通りに釣り竿を振りました。

私が魚を釣ると何より喜んだものです。

 

海釣り - わたしからあなたへ

朝はとても寒かったり、

あまり体力がなかった事もあり、

実は夢中になって、

釣りをするという事はありませんでした。

大抵すぐ飽きてしまい、

帰りたくなったものでした。

親父が近づくと、

真面目に釣りしているふりをしてました(笑)

しかし、

今日は夢中で釣りました。

ものすげー夢中で釣りました。

 

いのちの洗濯タイム - わたしからあなたへ

睡眠時間は、たった数時間で、

夜明け前に出発した。

県を軽々と越えて数100キロ運転し、

渓流や海に向かっていきました。

父が私に話してくれた、

「自然の音しか聞こえない。

 川の流れの音、鳥の声

 無心で釣りをしてるとな、

 心がスーッとするんだ」

そんな言葉を時折思い出します。

 

父は、瞑想も坐禅もしないが、

 

明らかに釣りの時間によって、

 

坐禅と同様の「無」の時間を、

 

味わっていたのだと思う。

 

そして、ゼロに戻って、

 

また仕事に向かった。

 

 

釣りは体力も時間も結構お金もかかる。

 

父の場合、

 

何百キロ離れた場所も

厭わず出かけて行くので、

 

スケジュール

・深夜3時に起床

・3時間運転して現地

 (高速・林道など)

・6時間釣り

(渓流や船釣りは相当体力を使う)

・3時間運転して帰る

・帰って、魚を捌き料理をして

 家族に振る舞う

 

時には、

・また港で釣りに行くなんて事もあった。

 

そして次の日

仕事おー!

 

考えただけで死にそう!

(母の口癖 「もう死にそう」)

 

父とは違い、

 

疲れやすく体力のなかった私には、

 

本当に同じ人間とは思えなかった。

 

 

釣り好きは短気

 

と言われる事がある。

 

御多分に洩れず父は

かなりの短気者。

(私も相当の短気です)

 

しかし、

 

あんなに手間がかかり、

 

待つ事の多い釣りを愛しているのが、

 

今でも不思議に想う。

 

思い出すのは、

父と海にボート釣りに行った時の事。

 

さあ、行くぞ!

せっせとボートを漕ぎ、

 

さあ!釣るぞ!

と餌を付けようとした時、

 

チッ!

あ!いけねっ!

(父の口癖『いけねっ』失敗したの意)

 

えさは車の中だあ!

 

と静かな海でうなだれていた。

 

そして、

「焦っちゃうんだよ、

 早く行きたくて

 自分は気が短くていけない・・」

 

誰かにそっくりな言動をしておりました(笑)

 

 

続いて、私が忘れられない

 

父のおもしろエピソードを2つ紹介する。

 

 

「まっしろ生命体事件」

 

父が川釣りに行った時、

 

川は照り返しも強く日差しが強いため、

 

日焼け止めクリームを塗ってから、

 

釣りを開始した。

 

父が釣りをしていると、

 

すれ違う釣り人が父の顔を見て、

 

「!」

 

という驚いた顔をしている。

 

何だ?と思いながらも釣りをしていると、

 

再び また別の釣り人が、

 

父の顔を見ては、

 

「ギョッ!」

 

とした顔をして通り過ぎた。

 

なんだ?なんだ、さっきから

 

父は変だな?

 

人の顔を見て驚くとは

失礼だと思いながらも、

 

釣りを続けた。

 

終わりの時間が来て、

 

川から上がり、

 

自分の車に戻り、

 

帰る支度をした時、

 

父は鏡に映った自分の顔を見た時に、

 

「ギョッ!」

 

として、のけぞった。

 

何故ならば、

 

鏡に映っているのは、

 

顔が

まっしろの

生命体

だったからだ!

 

それは自分自身の顔であり、

 

釣り人が驚愕していた理由を、

 

父は即座に理解した。

 

これは、

日焼け止めクリームを顔に塗りたくった時、

 

なぜか白いままの状態で

顔に残ってしまったのが原因だ。

 

父はまっしろなクリームを

顔にたっぷり残したまま、

 

新しい生命体

(まっしろ)

 

として新しく誕生し釣りを続けたのだ(笑)

 

父は

「アー恥ずかしかった」

 

と言っていた。

 

 

ピッコロ大魔王になった父

 

これは父は川で釣りをしていた時の事件だ

(事件多すぎ)

 

川で釣りをする場合、

 

遊漁券というものが必要となる。

 

※遊漁券を買わずに、

無許可で釣りを行うと密漁になる。

 

その川で釣りをする際には、

 

顔写真つきの遊漁券が必要で、

 

父は年券を購入し、

遊漁券を服に取り付けていた。

 

釣りをしていると、

 

遊漁券をチェックする、

 

現場監視員に出会った。

 

現場監視員が、

 

父の遊漁券を確認した際、

 

「うわあ!」

 

と奇声を発した。

 

父は何事かと

 

自分の顔写真付きの遊漁券を

 

確認すると、

 

「うわあ!」

 

と叫んだ。

 

叫んだ理由は、

 

父の顔写真は、

 

雨や水によって滲んでしまい、

 

その写真のインク顔料が溶け出し、

 

父の顔写真はまるで、

 

緑色の顔をした

 

地球外生命体

 

 

として表現されていた。

 

 

現場監視員は震えながら、

 

現場監視員

「あなた人間なんですか?」

 (とは言っていない)

 

「本当に地球人なんです」

 (とは言っていない)

 

と父は必死で弁明したという。

 

 

私はその話を聞いて腹の底から笑い、

 

写真の現物を見せてもらった。

(当時スマホがなかったのが残念)

 

その写真にはまさに

 

ピッコロ大魔王

 

のリアル版が映っていたのだ。

 

しかも、インクが溶け出した結果、

 

ツノの様なものまであった(笑)

 

私はこの伝説を友人に言い伝え、

 

友人たちも腹を抱えて笑い、

 

『さすがお前の親父だなあ』

 

というコメントを残した。

 

父は

「アー恥ずかしかった」

 

と言っていた。

 

さすが超人。

 

とうに人間を超えているのだ。

 

 

 

父の趣味はもう一つある

 

料理だ。

 

父は調理師免許も持っているのだ。

(いろいろやってるなあ)

 

免許は関係ないが、

 

一生懸命作った料理を我々に振る舞ってくれる。

 

実家に帰省した時は、

 

父が釣り上げた魚介類を、

 

調理して、

 

新鮮かつ贅沢な料理がテーブルに並ぶ。

 

父は一旦凝ると、

 

私以上にすさまじいので、

 

いろいろ研究して、

 

中華・フランス・和食

 

などメニューが出てくる。

 

それらは本当においしい。

 

 

しかし料理が始まると

 

父は料理の鉄人ばりの

モードに入るので、

 

キッチンは修羅場の様な空気になり、

 

「○○子お(母の名)!」

「○○子お(母の名)!」

 

と母の名前を連呼し、

 

「あれを持ってこい!」

 

「それは、コッチだろお!」

 

と周囲から見たら理不尽な状況が発生する。

 

それはまさに厳しいプロの世界と同じで、

 

殺気立った修羅場だ。

 

その空気感の中には、

 

普通の人には怖くて入れないだろう。

 

しかし、

 

母は

「はい、はい」

 

柳が台風を

軽く受け流すように

対応している。

 

母は自分の事を

「風見鶏です」

(そんなことはないだろ)

と表している。

 

風見鶏の様な人とは

定見をもたず、周囲の状況を眺めて、都合のよい側にばかりつく人のこと。

 

さて、

 

そんなこんなで、

 

エピソードに事欠かない父であったが、

 

書いていて自分とそっくりだなあと思う事も多い。

 

私は昔から時々、

 

漫画に出てきそう

 

と言われる事があった。

 

しかし、本人はそれが普通なので、

 

何の事だか分からない。

 

ただ、

 

父の事を見ていると、

 

なるほど、

そう思う気持ちもよく分かる

 

という考えに至った。

 

父の話にはキリがない。

 

そして、名残惜しいが、

 

この父についてシリーズを

 

 

次回最終回とする!

 

 

「あなたへ」

 

いやー、父のエピソードを書きながら、

 

自分で爆笑してとまらず大変でした。

 

文章のトーンも、

 

面白トーンに変わっちゃってます。

 

さて、父についてシリーズも、

 

次回で最終回とします。

 

父はこれを読んで、

 

何を思うんだろうか(笑)

 

 

さて、父は料理が昔から得意ですが、

 

私も必然に駆られて、

 

料理をする様になりました。

 

最近ようやく、

 

少しコツがわかってきて、

 

料理が少し楽しくなってる自分に驚きます。

 

美味しくでき、

 

周りから美味しいと言ってもらえると、

 

こんなに嬉しい気持ちになるんだな。

 

って事を知る事が出来ました。

 

 

なんと、2月も終わり、

 

明日から3月!

 

驚く早さでした。

 

季節が変わる時期は私にはしんどい時ですが、

 

草花が芽吹く楽しみもあります。

 

あなたもわたしも、

 

いい一日なりますように。